「神」の沈黙。
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なぜ「神」は沈黙しているのでしょうか？ なぜ、必死に祈っても、愛情あふれる言葉を掛けてくださらないのでしょうか？ それが、本当の「愛」、真実の「愛」だからです。「神」は「魂」だけを見ています。宇宙には「罪」も「罰」もありません。どんな「魂」であっても、たとえどれほど邪悪な「魂」であっても、「神」にとっては、等しく我が子なのです。そして、放蕩息子の帰還を待ってくれているのです。
ですから、一歩でも二歩でも「神」に近づきましょう。我が子、我が伴侶、我が親、我が兄弟姉妹であっても、血肉を見るのではなく、その奥にある「魂」を見るのです。そういう癖をつけてください。そして、「魂」の成長物語として、その人物の今を見守るのです。どんな「魂」にも、その「魂」の課題があります。同時に、その「魂」と縁ある「魂」にも、関わり合いの中での今世の課題があるのです。
それを、ギフトだと捉えてください。辛いギフトであればあるほど、その幸福を喜んでください。「辛い」に、気づきを「一つ」足せば、「幸」という字になるじゃありませんか。霊的成長には負荷が必要なのです。重い負荷が与えられたことは、あなたが見込まれた証拠です。ギューッと沈み込んで、バネを縮めて耐えて、それを一気に解放して大ジャンプを果たしましょう。
では、どうやって「魂」を見たらいいのでしょう。もちろん、目で見るというわけではありません。先ずは、自分の中にある、疑いの目、値踏みする目、欲目、怯える目、すがるような目はぜんぶ外してください。それらがあると、その視線を相手に投射して、その反射光を見るということになってしまいます。ですから、返って来るものは、実は自分が浴びせた自分の思い。それを見ているのです。
そうではなく、自分を解放して、真っ白になって、何の予見も持たずに、対象をボヤーっと包み込むようにして眺めるのです。すると、対象者が着ていた鎧がぜんぶ取れて、「魂」だけが浮かび上がって来ます。しばらくそのままにしていると、その「魂」の成長度合いや、今の心の状態までもがスーっとこちらに流れて来ます。ですから、表面をどんなに取り繕っていても、嘘や虚栄や権威は通用しません。そんなものはすぐに見破れます。
さて、その時に、見えて来た「魂」を、慈愛の目で包み込んでいただきたいのです。すべての人を、「魂」の成長物語として見る癖を身につければ、どんな人も許せるようになります。権力の座に必死になってしがみついている人も、保身のために嘘をつく人も、他人を騙して陥れようとする人も、権威を振りかざして威張り散らす人も、みんなみんな、その「魂」の今の成長段階を生きているのです。彼らにとっては、それが今の「正しい」ことなのです。
そして、この視点の転換が素晴らしいのは、他者だけではなく、自分をも許せるようになることです。自分が、過去にして来た過ち、未熟さゆえの大失敗、恥ずかしい体験の数々。でもそれらは、みな「魂」の成長物語としてあった。それに気づけたとき、自分がなるほど成長して来たなぁとしみじみ思えませんか？ 自分がいとおしく感じられませんか？ そして、この先何にチャレンジしようとも怖くはない、とは思えませんか？
なぜって、人生は「魂」の成長物語なんですから。
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